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世界でトップクラスに有名なゴミ山

世界でトップクラスに有名なゴミ山?フィリピンのスモーキーマウンテンについて解説します

フィリピンにはスモーキーマウンテンと名付けられたゴミ山が存在していました。
名前はゴミが自然発火した煙から連想されて名付けられたそうです。
しかし、スモーキーマウンテンは単なるゴミ山ではなく、少なくない数の人間が居住しているスラム街なのです。
スモーキーマウンテンの周辺に居住している人々は、ゴミを集めて生活の資金を作る「スカベンジャー」と呼ばれる仕事を行っていることが多かったと言われています。
フィリピンでは農業以外の就職先の選択肢が多くない状況が続いているため、スカベンジャーとして生きていくために遠くの土地からスモーキーマウンテンに移住してくるというパターンが目立っていました。

世界的に有名となったスモーキーマウンテンは、かつてはフィリピンでは珍しくもない漁村でした。
しかし、1950年代に焼却処分が不可能なゴミの投棄場になりました。

すると、首都圏周辺で出続ける廃棄物が大量に運び込まれるようになったことで急速にゴミの山が築かれていくことになりました。
ゴミ山の周辺にはスカベンジャーが住み着くようになり、スラム街としての歴史を歩んでいくことになったのです。
1980年代にフィリピンの貧困の象徴として世界的に有名になると、フィリピン政府は国家のイメージダウンになってしまうことを問題視するようになりました。
そして、1995年に強制的にスモーキーマウンテンを閉鎖しました。

しかし、スモーキーマウンテンを閉鎖したことで廃棄物を得られる場所を失ったスカベンジャーの人々が生活に困ることになりました。
そして、スモーキーバレーなどのスモーキーマウンテンと似たような大量のゴミがある廃棄物の処分場に移住しています。

現在のスモーキーマウンテンは、閉鎖されていて土地に入るには許可が必要となっています。
かつてと比べると居住している人の数は減っていますが、バラック小屋や団地などの家が存在しています。
スモーキーマウンテンは閉鎖されてはいますが、他の土地にあるゴミ山や貧困家庭などの存在は現在でもフィリピンの社会問題となっています。